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在来工法は、日本で古くから採用されている家づくりの方法です。柱と梁を軸に構造を造っていくため、壁の位置に融通が利き、間取りの自由度が高いというのが特徴です。
耐震性の面ではSE構法に劣りますが、素材や依頼する職人をしっかり選べば、耐震性・デザイン性を両立した住宅を実現することも可能です。
ただ、普及している工法ではあるものの、これといって決まった規格がないため、依頼する業者の熟練度によって仕上がりに差がつくのが難点。業者選びの際は、口コミ評判や実績はもとより、オープンハウスや住宅展示場などで実際に建築された家をチェックするなど、より入念にリサーチすることをおすすめします。
在来工法(木造軸組工法)は、大手ハウスメーカーをはじめ、中小工務店でも広く採用されています。
そのメリットは、自由度の高さ。2×4などの構造体を組み合わせていく工法と違い、在来工法は寸法に融通が利きます。そのため、将来的なリフォームも視野にいれた、柔軟な住宅が建てられるわけです。
また、広く普及している家づくりの方法であるため、大抵の業者なら対応してもらうことができます。SE構法のように、取り組むのに特別な資格もいりませんので、費用が抑えられるというのもメリットでしょう。
幅広い業者が採用している分、依頼する業者によって仕上がりにバラつきが出る、というのが在来工法の大きなデメリット。最近では、金物なども規格化されているため、業者間の技術の差は小さくなっていますが、それでも大工さんの職人技がいらなくなったわけではありません。選択肢が多いからこそ、しっかり信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、耐震性能がほかの構法に比べて低いというのも、在来工法のデメリットと言えます。もちろんこれはほかの工法と比較した場合の話で、建物として問題があるほど地震に弱いという意味ではありません。耐震性を高めるために、さまざまな工夫を取りいれている業者もあり、場合によってはSE構法で建てられた家より地震に強いというケースも考えられます。在来工法で自然素材の魅力を生かしつつ、優れた耐震性能を実現する家づくりを行っている業者もあります。
耐震性能は業者による、というと身も蓋もありませんが、いずれにせよ技術力のある業者を選ぶことが何より大切です。
メリット | デメリット |
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SE構法は、震災への懸念から開発された、構造的により安全を追求した構法です。
また、木造建築では不可能とされていた大空間を演出できる家づくりが可能になるなど、在来工法とは違った選択肢を検討できるメリットもあります。
一方で、集成材によるシックハウスのリスクも。最近は信頼できる規格をクリアした材料を使う業者も増えていますが、採用するかどうかは、ご家族の体質なども考えた慎重な判断が必要でしょう。
SE構法のSEとは、Engineering For Safetyの略で、安全性を工学的に追求した施工方法、というようなニュアンスです。もともと大きな建築物に適用していたラーメン構法(柱と梁が一体化するように接合する方法)を住宅建築に応用したものであり、高い耐震性と耐久性が期待できます。
SE構法を行えるのは、「SE構法施工管理技士」が1名以上いて、「SE構法登録施工店」として登録されている業者のみに制限されており、施工の信頼性も確か。
また、鉄骨なみの強度を実現できるため、空間を贅沢に取ることができてデザインの自由度も広がります。例えば、従来木造建築では難しいとされていたフロア全体をぶち抜いて一部屋にする、といったことも可能とされています。
さらに、コストパフォーマンスが高いというのも、SE構法のメリットです。在来軸組構法という従来の木造工法より費用はかかりますが、それでも実現できるデザインの自由度や耐震性などを考えれば、十分に元は取れるでしょう。
SE構法のデメリットは、希望の住宅づくりに適うかどうかをしっかり見極めないと、そのメリットを十分に生かせない点にあります。
どういう方法で家を建てるか、というのは、予算や建てたい家のデザインに基づいて決定するのが基本です。SE構法は耐震性に優れ、大空間を実現できる画期的な工法ですが、すべてのケースに推奨できるような万能なものではありません。
また、シックハウスのリスクがある、というのも気をつけたいポイントです。こちらに関しては、化学物質がほとんど発散されない、フォースター(F☆☆☆☆と表記される、ホルムアルデヒド等級の最上位規格)の材料を使用してリスクを軽減するなどの対策が取られています。しかしながら、必ずしもこうした素材を使用する業者ばかりではありません。こういったデメリットも踏まえながら、業者と建てたい家のイメージを具体的に詰めたうえで、適切と思われる選択肢を選ぶことが大切です。